神戸大学はバイオ資源専門の研究センターを日本の大学で初めて開設する。廃木材や植物の茎などのバイオ資源から複数の物質を効率的に取り出すのが狙いで、関西の他大学や民間企業も参加する。神戸大では資源の有効活用で低コスト化が図れるとみており、関西が強みを持つ発酵などのバイオ関連技術を集結して2015年をメドに量産化を目指す。
「統合バイオリファイナリーセンター」を12月15日付で開設する。資源化しやすい木の育て方は農学部、酵素を使った簡便な分解法は理学部、工程の組み立ては工学部というように既存の学部を超えた協力体制を整え、全工程一貫した研究開発をする。
研究には京都大学や大阪大学、奈良先端科学技術大学院大学なども協力する。企業からも当初、サントリーや大和ハウス、神戸大学発環境技術ベンチャーのバイオ・エナジーなど8?10社が参加する見通しだ。国からの助成金などを確保し、年間研究費は少なくとも2億円を見込む。
使い道がなかった廃木材や植物の茎などのバイオ資源から効率的に複数の物質を取り出す統合的な研究を進める。低コスト化を目指す。例えば廃木材の場合、約7割をエタノール、残りをバイオプラスチックにするなど、資源を丸ごと使う方式に取り組む。
バイオ資源からはエタノール、生分解性プラスチック、植物由来の繊維などの材料が取り出せる。二酸化炭素(CO2)排出につながる石油由来製品に置き換わる環境への負荷が少ない製品が作れるため、個別の材料の研究が進み、実用化も始まっている。
しかし、本格的な普及には耐久性など性能面に課題が残るほか、食料としても使えるトウモロコシやサトウキビを原料に使う場合が多く、価格も高いなどの課題が残っている。
神戸大ではバイオ資源から複数物質を取り出すなど、生産性を高めることができれば、バイオプラスチックの価格を石油製とほぼ同等の現在の半分程度にまで引き下げることも可能とみている。研究成果を生かして15年をメドに専用工場の稼働を目指し、本格的な置き換えを後押ししたい考えだ。
関西にはもともと発酵食品を扱う食品企業などバイオ技術を持つ企業が集積している。今後はこういった企業にも参加を呼びかける。12月15日には開設に合わせて記念シンポジウムも開催する。
神戸大学統合バイオリファイナリーセンターオープニングシンポジウム
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